夏の時季の犬の皮膚病の予防法と対策法を徹底検証
今、まさに梅雨本番ですね。
ジメジメして1日の気温差が激しいので、犬にとっても体調を崩しやすい気候です。
日本は高温多湿の気候なので、犬の皮膚にも厳しい環境です。
ここでは、夏の皮膚病トラブルについて原因と予防法を見ていきます。
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皮膚病になった時の症状
犬が皮膚病になった時にはどんな症状が出るのでしょうか?
私たちも皮膚に異常が出た時は、かゆくなったりしますよね?
それと同じように、犬も皮膚病になった時にはかゆがります。
かゆみは皮膚病の主な症状の1つです。
犬が体を床や壁にこすりつけたり転げまわったりしていたら、その部分の皮膚に何らかの異常があると考えられます。
犬は体が毛でおおわれているので分かりにくいですが、皮膚病の時は体に湿疹が出来ることがあります。
又、毛が一気に抜けることがあります。
もともと犬は季節の変わり目には毛が抜けますが、自然な抜けかわりと皮膚病の毛が抜ける違いを気を付けて様子を見る必要があります。
皮膚病かどうかチェックしてみよう
犬の様子を観察していると、早めに皮膚病に気づくことが出来ます。
下のチェック表で確認してみましょう。
□床や壁に体をこすりつけている。
□皮膚に炎症がある。
□脱毛部分の皮膚に異常がみられる。
□かゆがる様子がないのに毛が抜ける。
犬は体が毛で覆われているため、分かりづらいですが観察することによって早めに皮膚病に気づくことが出来ます。
皮膚病の原因を知る
そもそもどうして犬は皮膚病になるのでしょうか?
もともとの犬の体質もあるでしょうか、皮膚病の原因が絶対あるはずですよね。
皮膚病の原因となるものを見ていきましょう。
高温多湿の気候
だんだんと気温が高くなり、梅雨に入ると共に湿度も高くなっていきます。
日本の四季は他の国にない素晴らしいものだと思いますが、高温多湿の気候は皮膚病の一因となることもあり、
10月ころまでは犬の皮膚にとって良くない環境が続きます。
細菌などの病原体による感染症は1年を通して起きるトラブルですが、高温多湿の気候は皮膚に常在している菌を繁殖させやすく、
この時季に皮膚トラブルとなって表れることが多くなります。
外部寄生虫に対するアレルギー反応
春から夏にかけては、草花に反応して花粉症のような症状を起こしかゆがることがあります。
又、夏場は耳の近くや鼻の頭など、毛の少ない場所を人間と同じように蚊に刺されることもあります。
ストレスや食事
ストレスでも皮膚病になることがあります。
人間でも過度なストレスにかかった場合、髪の毛が抜けるという事がありますよね。
犬もストレスがかかると、体を過剰になめて皮膚が敏感になり毛が抜けたり、かゆくなったりします。
又、食事が原因の場合もあります。
食事の内容を変えた場合や、内容を変えなくても体調によっては合わない事もあります。
ストレスも食事も原因を特定することが難しい場合もありますが、1つ1つ思い当たることを取り除いていく必要があります。
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シャンプーによる洗いすぎ
常在菌という言葉を聞いたことはありますか?
人間や犬の肌、皮膚には常在菌という菌が存在しています。
この菌はバランスよく存在することによって、皮膚の調子を良くしたり他の悪い菌から守ってくれるという菌です。
でもシャンプーでの洗いすぎや、強い洗浄力の物で洗っていたりすると常在菌までもが洗い流されてしまいます。
市販のシャンプーは、体を保湿する脂質成分や常在菌まで落としてしまう事があります。
すると、肌が乾燥し肌のバリア機能が低下したり、痒みが強くなったりしてしまうのです。
どうしても市販ですぐ手に入るシャンプーは、一般的に洗浄力が強い傾向があります。
もし心当たりがあるなら、シャンプーの回数を減らしたり、シャンプー自体を変えたりしてみましょう。
動物病院で処方するシャンプーは、保湿機能が高く症状が改善することがあります。
私が以前、病院から処方されたシャンプーは、毎日洗っても大丈夫というものでした。
犬のシャンプーの仕方については、「自宅でできる!正しい犬のおうちシャンプーの仕方」で詳しく書いていますので参考にして下さい。
低刺激のおススメシャンプー
サトウキビやタピオカ芋などから成分を摂取したアミノ酸系界面活性剤のシャンプーなので、皮膚が弱い犬におススメです。
低刺激だけではなく、香りも良く毛並みもフワフワに仕上がります。
ペットサロンでも取り扱っている人気商品です。
動物病院で処方されるシャンプーは薬用シャンプーで保湿機能が高い物が多いです。
それによって皮膚のトラブルが改善されることもあります。
シャンプーを薬用に変えてみる方法もありますよ。
皮膚病の気になる症状と疑われる病気
一口に皮膚病と言っても色々な病気があります。
症状によってどんな皮膚病が考えられるか見ていきます。
・フケが出る→皮膚疥癬など。又はシャンプーが合っていない。
・かゆがっている→脂漏症・膿皮症・皮膚疥癬・ノミアレルギー皮膚炎・アトピー性皮膚炎・アレルギーなど。
・全身的な脱毛→クッシング症候群・ホルモン性皮膚炎など。又は栄養不良も考えられる。
・部分的な脱毛→膿皮症・ニキビダニ症・毛包虫症(アラカス)・ノミアレルギー性皮膚炎・ストレス等があります。
次に、主な病気について具体的に見ていきます。
アレルギー性皮膚炎
人間と同じように犬にも花粉や体質に合わない食べ物、シャンプーなどをアレルゲンとした皮膚病が起こります。
接触による発症であれば、アレルゲンに触れた部分に炎症が起きますが、食事や吸引による場合はどこに発症してもおかしくはありません。
比較的、目の周りや足の付け根、腹部などに発症することが多いようです。
他にも何らかのストレスが原因となってかゆがっている場合があります。
この場合、初め皮膚は何の炎症も起こしていませんが、掻くことで傷がつき化膿性皮膚炎を起こしてしまう事もあります。
クッシング症候群
別名副腎皮質機能亢進症とも言います。
副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることによる皮膚障害です。
皮膚以外にも色々な症状がありますが、皮膚に限ると皮膚が薄くなる、背中の左右同様な脱毛から全身の脱毛、背中に固いかさぶたが認められます。
病院での診断は副腎皮質ホルモンを測定します。
原因を追究するため、脳および副腎のCTスキャンを行う場合もあります。
治療としては、副腎の腫瘍の場合は摘出手術か副腎皮質に特異的な抗がん剤を投与します。
機能亢進の場合は副腎皮質ホルモン合成阻害薬を投与します。
ニキビダニ症
犬の毛包内に寄生するニキビダニ(デモデックス、毛包虫)によって引き起こされる皮膚炎です。
この寄生虫は正常な犬の皮膚にも寄生していますが、異常に増殖すると皮膚炎になるようです。
獣医診療の中で遭遇する非常に一般的な皮膚疾患の1つです。
気候の影響を受けにくい強い皮膚づくりを
体にも皮膚にとっても厳しい初夏から夏場の気候ですが、日頃から免疫力をつけて腸の働きを整えておくことで、体調や気候の影響を受けにくい強い皮膚を作ることが出来ます。
適切な皮膚トラブル対策で、愛犬が夏場を少しでも快適に過ごせるように食事、運動、住環境など工夫してほしいですね。
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