たまに叩いてしまう?犬を叩くしつけは百害あって一利なしな理由
2017/04/09
犬が言うことを聞かずに思わず叩いてしまった・・・そんなことも犬と一緒に生活している中ではあります。
わたしは子供の頃から犬を飼っていましたが、子供の頃は犬のことがよく分からず、頭を叩いてしまったこともありました。
あのときのことを思い返すと、犬には悪いことをしてしまったな、と今でも思います。
今は犬を叩いてしつけなどしていませんが、犬の飼い主さんの中には叩くことはしつけに繋がると考えている人もいるようです。
とくに犬のことについて詳しくない人や、自分の子供にも叩いてしつけるなどしてきた男性に多く見られるなと感じています。
犬を叩くしつけとは本当に効果があるのか?犬をたまに叩いてしまう、叩く家族がいる犬飼さんはよく考えてみましょう。
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犬を叩くしつけの効果とは?
犬を叩く状況というのは、もちろん犬が悪さをしたときになります。
しかし、これは人間にとっての視点だけであり、犬にとっては別に悪いことをしているつもりはないんです。
代表的な行動が、玄関のチャイムが鳴ると犬がワンワンと無駄吠えして、うるさいからといって叩いてしまう。
これは人間にとってはうるさいし近所迷惑になるからやめさせたい行動ですが、犬にとっては縄張りを脅かされる危険を感じる場面です。
そのため相手に威嚇、警告を促すための防衛本能として、当然のように吠えているにすぎません。
実はこの無駄吠え、気が弱い犬に見られる行動です。
もし敵が襲ってきたら怖いから、その前に吠えて対決することだけは避けようとする防衛本能なんですね。
また、縄張りや飼い主に対しての不信感があり、全てに安心していないことから、自分は守られないかもしれない、という不安感から吠えます。
そのため犬が悪いのではなく、そのような不安感を感じさせてしまっている飼い主の方が実は責任があるんですね。
そこで犬を叩いてしつけてみる
このような状況の場合、犬を叩いてみるとどうでしょう。
犬は「キャン!」といって、その場は声を出さなくなるかもしれません。あるいは、もっと激しく、今度は飼い主に向かって吠えたてる場合もあります。
なんてバカな犬で、荒っぽい犬なんだと人間は感じますが、犬は何で叩かれたのか分からないので、パニックを起こしてしまいます。
結局無駄吠えは直りませんし、直ったとしてもそれは飼い主と犬の間に溝ができてしまいます。
何に対しても反応がなくなったり、飼い主が自分のテリトリーに入ると唸るようになるなど、関係の修復には時間がかかります。
こんな時の対処法
出はこのような場合、どのように無駄吠えをやめさせることができるのでしょうか?
わたしが普段からよく使っている方法は、吠えないことができればご褒美を与えるというしつけです。
吠えたら何もあげない、吠えなかったらおやつを貰えるとなると、犬は学習してほえなくなります。
犬のしつけの基本は、ネガティブな動作を基本とするのではなく、ポジティブを基本とすることがポイントです。
最初は吠えないということができませんから、その時はリードを引っ張る、水鉄砲で水をかけるなどで、犬が見えないところで犬が嫌がることをします。
犬との距離は離れているので、これなら犬は飼い主に対して恐怖心を抱きません。
そして犬が「えっ?」としているときに、おかしを与えます。
すると犬は、いつもと違う行動をしたらおいしいおかしを貰えた!と思うので、ぴたっと吠えることをやめます。
最初のうちは犬が吠えなくなってもおやつをあげるようにしましょう。
犬としては頑張っているのに、おやつを貰えないとまた吠えたてるようになってしまいます。
「手」で叩くということについて
人間の手は犬にとって安心できるものでなければなりません。
ブラッシングしてあげたり、頭をなでてあげたり、ご飯を運んでくれるのも手です。
そんな手が、自分に向かって振り下ろされてきたら、人間より体も小さく視点も低い犬にとっては恐怖以外の何物でもありません。
犬は人間より痛点が多く、痛みを感じやすいという特徴があります。
ほとんど痛くないように軽めに叩いた、とこちらは思っていても、実は犬には何倍も痛みを感じているということです。
とくに成犬になるまえの1歳前の犬に叩くしつけを行っていると、その後どんなに仲良く接しようとしても、信頼関係を築くことはかなり難しいです。
人は怖いもの、よく訳が分からないときに自分を痛めつける存在だと認識してしまいます。
このような大きな悪影響から、どのような場合にでも手を使うしつけはやってはいけません。
犬を叩く人は自分が未熟
ストレス発散ではありませんが、ついついカッとなって犬を叩いてしまう人は、自分が未熟者です。
犬がそのような悪いことをするのも、普段のしつけが間違っている、愛情を十分に欠けられていないことが原因です。
それを理解もせずに頭ごなしに叱るというのは、やはり犬を飼うのには早すぎたということになると思います。
わたしも子供の頃は、犬がちょっと邪魔だ、という理由だけで頭を叩いたことがあります。
今にして思えば、自分よりとても小さい純粋な動物に対して、よくそんなことができたなと、自分自身が恐ろしく感じます。
もし叩いてしまったことに罪悪感も感じないようなら、動物を飼う資格はないとわたしは考えています。
もし罪悪感がある、叩くことへのしつけへ疑問を感じているなら今日からやめましょう。
怒りを抑えることで、犬の正しいしつけをすることができますし、あなた自身の心の成長にも繋がります。
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叩いく人と叩かない人のしつけ
例えば、このようなケースがありました。
新婚さんで、奥さんは犬を褒めて育てるタイプ、旦那さんは犬を叩いてしつけるタイプと、真逆のしつけをする二人でした。
旦那さんは犬の行動のことあるたびに叩いてしつけ、奥さんはそれを止める役割をしていました。
すると犬はどうなったと思います?
旦那さんが言うことには従うようになり、奥さんと二人の時は吠えたてて悪さばかりする犬になったそうです。
旦那さんがお家に帰ってくると犬はまた途端に静かになりますが、散歩やトイレのお世話、餌をあげる奥さんにはうなります。
旦那さんから見ると、「ほらみろ、犬は叩いて分からせないと悪いことが分からないんだ。だからお前が甘やかすから、犬はお前のことを見下すようになるんだ」という感じです。
奥さんからすると、この犬の行動にはがっかりですよね。
犬にも人間にも不幸なケース
これは一見しつけができているようにも見えますが、全くの誤解です。
犬は叩かれることが嫌で旦那さんに従っているだけで、犬の先祖の狼である、弱いものは強いものに従うという構図です。
しつけでもこのような関係を築くべきだとされていますが、それは力によるものではありません。
しっかりと愛情を持った接し方をしなければ、犬は本当の意味でお利口になることはできません。
そのため、奥さんには旦那さんが自分にするように、吠えたり、ときには噛んだりして奥さんをしつけしようとします。
自分の力を、自分より弱いと思っている奥さんに分からせるためですね。
普通のしつけられている犬は、噛んで序列をはっきりさせようなどということは絶対にしません。
ほとんどしつけができていない、ちょっと困ったさんの犬だとしても、愛情深く接している犬は一緒に住んでいる人を噛むなんてことはしません。
犬は愛情を知ることなく、これからも険しい気持ちを持ったまま、外に出れば奥さん以外にも吠えたてるという人生を歩むことになるでしょう。
奥さんは犬が嫌いになり、愛情深いお世話をすることができなくなるかもしれません。
旦那さんにダメージはないように見えますが、そんな横暴な態度の旦那さんに愛想が尽きて、夫婦関係は悪化してくことが予想されますね。
犬は家族や夫婦にとっては、かすがいのような大事な存在です。
犬の存在によって会話のなかった夫婦に会話が生まれたり、犬と一緒に旅行するようになったなどの行動が活発化する要因にもなります。
犬と家族、その正しいあり方を、自分一人だけではなく、家族の人にもきちんと理解してもらうことが大切です。
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