正しい犬の歯磨き方法を動画で解説!歯磨きを嫌がらないためのコツとは?
2017/04/09
8割以上の犬がかかる歯周病
犬の歯のトラブルとして最も多いのが歯周病。
なんと3歳以上の犬の8割が歯周病にかかっている、または予備軍であるとされます。
これは日本ではまだ犬の歯磨き習慣が根付いておらず、飼い主の意識が低いことが原因にあげられます。
犬は歯磨きをしたくても、自分ではできませんからね。
とくに歯周病は病状が悪化してから気づくケースが多いです。
歯周病は歯の汚れと病状が同時進行するわけではなく、一見歯が汚れていないように見えても歯周病が進んでいるのです。
それはなぜかというと、歯周病は目に見える場所で発生するのではなく、歯と歯の隙間にできる空洞、歯周病ポケットという場所で病を進行させます。
それで歯肉が腫れたり、そこから嫌な臭いを発生させたりしますが、これでは気が付かずに放置されるというケースが目立ちます。
犬の歯がぐらぐらしたり、歯が抜け落ちてしまうというかなり悪化した後に病院へ連れて行くという飼い主が多いようです。
こんな大抵の犬がかかる怖い歯周病でも、歯磨きを習慣的にすることで簡単に防ぐことができます。
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間違った歯磨きの方法
最近は手軽にできる犬の歯磨きグッズが増えました。
犬に食べさせるだけで歯磨きしてくれる!などとうたったデンタルケアの商品をよく見かけます。
しかしこれは、飼い主が楽なだけであって、実際は歯磨きにも歯周病予防にすらなっていません。
・ガーゼを使用する歯磨き
よくネット状にガーゼを使用して歯磨きをしようという情報が載っています。
これは間違った情報ではありませんが、ガーゼでは歯の表面だけしか磨くことができません。
ガーゼで表面を磨いた後、必ず歯周病ができやる歯肉の細かい部分を磨いてあげないと意味がないんです。
・デンタルケアのおやつやおもちゃ
犬に与えるだけで勝手に歯磨きしてくれる!という商品ありますよね。
これを与えて効果があるのは、歯周病の兆候がなく、口内が清潔に保たれているときだけです。
細菌を増やさないように、という予防の意味で効果を発する商品ですね。
口の臭いが臭くなってきたから、デンタルケアのおやつをあげて歯磨きしよう、という場合はまったく効果がありません。
歯周ポケットの中の菌を除去できるのは、きちんとした歯磨きだけです。
歯ブラシの慣らし方
今まで歯磨きをしてこなかった犬は、最初歯ブラシを口に入れられることすら嫌がります。
口元を触るのさえも嫌がる犬も多いため、できれば子犬のころから歯磨きには慣れさせておくのがベストです。
まずは歯磨きは怖くない、むしろ楽しいものだんだよ、ということを犬に教えてあげることとが第一です。
①まずは犬が好きなお尻や頭など全身をなでなでするところからスタートです。
全身をなでられてリラックスしているとき、自然に口元にも触るようにしていきます。
マッサージをしながらすると、口元に触られるのは気持ちいいことだと犬が錯覚してくれます。
口を開いて歯を触らせてくれたらご褒美をあげて、それを繰り返して犬の歯にどんどん触れる状態を作ります。
②犬用の歯磨き粉デンタルペーストを指先にとり、おいしいんだよと食べさせて覚えさせます。
犬がおいしいと食べるようになったら、次は歯ブラシの先につけて与えます。
食べた後はご褒美をあげてさらに慣らします。
このときはブラッシングはまだしないでください。
まだ歯ブラシに慣れていない状態で、不用意に歯ブラシを動かしてしまうと、警戒心を持たれてしまいます。
③数日かけて②の工程を行い、十分に不信感はなくなったと感じたら、次は歯磨きをしていきます。
最初は1本だけ、一番歯磨きしやすい前歯から磨いていきます。
このとき1本を磨き切るのではなく、1秒くらいすっと、歯に何か触れた?と犬がほとんど疑問にも感じない短い時間で磨きましょう。
これを2秒、3秒と徐々に時間を長くして1本を磨き切ります。
本当は犬歯がある奥歯を磨きたいところですが、この辺りはまだ犬も慣れていないので、一番最後になります。
数日~数週間かけて徐々に磨く本数を1本、2本、3本と増やしていきます。
大人しく歯磨きができたら毎回いっぱい褒めてあげましょう。
やめどきとしては、犬が嫌がった時点で歯磨きを中断しましょう。
徐々にその感覚が短くなっていき、歯磨きを嫌がらなくなります。
④歯の全体を歯磨きできるようになったら、次はいよいよ犬歯や奥歯といった、汚れが目立つ歯をブラッシングしていきます。
他の磨きやすい歯と違い、奥歯は磨かれるのを嫌がる犬も目立ちます。
ここも③の工程と同様、時間をかけて徐々に慣らしていきます。
犬の口を開けて磨けない場合は、閉じたまま頭を固定させて人間が奥歯を磨くようにしてもOKです。
詳しいやり方は、以下の動画を参考にして下さい。
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正しい歯磨きのしかた
小型犬、中型犬は膝の上に乗せたほうが歯磨きしやすいです。
大型犬の場合はソファーなど高い位置に座らせると、楽に歯磨きできます。
犬のお口の中をチェックして、とくに目立つ汚れが目立つ犬歯と奥歯を見てみましょう。
犬は奥の歯で食べ物を噛むので、ここが一番汚れ、歯磨きを念入りにしなければいけないポイントです。
大抵の場合は黄色、または黒く変色していると思います。
まず、犬が歯磨きに慣れていない場合は最初のうちはガーゼでならしましょう。
前述したようにガーゼだけでは歯周病を予防できないので、最初だけです。
動画の2分30秒の図のように、歯の間に届くように45度の角度を意識して磨くのがコツです。
ただ歯に対して平行に磨いているのでは、実は手間をかけている割にほとんど汚れが落ちていません。
そのため歯磨きを毎日していたのに歯周病にかかってしまった!とがっかりする飼い主さんも多いようです。
歯磨きを嫌がらなくなったら、今度は歯ブラシで磨いてみましょう。
動画の正しい歯ブラシの持ち方を覚えて、優しく丁寧に歯を磨いていきます。
こちらの動画は歯ブラシを動かすスピードがとても参考になります。
短い距離をシャカシャカと動かすことで、汚れを綺麗に除去することができます。
優しくしなければならないからと、あまりゆっくり動かしても汚れは落ちにくいんですよね。
この動画のように犬の頭と側面を人間の体にぴたっとくっつけてあげると、口の固定にと犬の安心感につながります。
どうしても犬が歯ブラシを嫌がる~というときは、このような人間の指を入れるタイプの歯ブラシがおすすめです。
これなら犬も人間の手だと意識するため、むやみに暴れることも少なくなります。
また、初心者でも犬の歯がダイレクトに分かるので普通の歯ブラシより磨きの残しが少なくなります。
歯磨きのポイント
犬用の歯ブラシを使う
人間用の歯ブラシをたまに犬にも使っている人がいますが、人間用の歯ブラシは毛先が硬すぎで、また犬の口のサイズにもあっていません。
必ず犬用の歯ブラシを使いましょう。
犬用の歯ブラシは毛先が細く、柔らかい作りになっています。
これだと効果的に犬の細かい歯肉の隙間を磨け、また犬の歯にも負担になりません。
歯磨きをする時間はいつでもいい
人間のように食後の歯磨きがベスト!というわけではなく、犬が歯磨きを負担に感じない時間にするのが最適です。
例えば食後はごろんとしたい犬の場合、歯磨きをするのはストレスになるかもしれません。
犬の様子を見て、歯磨きを喜んでいると感じるタイミングがベストです。
うちではちょっと微妙ですが、大抵食事の前に歯磨きをしています。
最初に甘いデンタルペーストを食べて、食前おかしのようにして楽しんでいるみたいです。
その後ご飯を食べるなら意味がないと思うかもしれませんが、犬にはどのタイミングでも1日1回しっかり歯磨きができればよしとしましょう。
歯磨きの頻度は毎日が理想
毎日歯磨きをしなければならないというと面倒に思えますが、人間は1日2~3回くらい歯を磨きますよね。
犬は人間より食べ物のカスが歯石になるスピードが5倍速いです。
そのため本当なら人間よりこまめに歯を磨かなくてはいけないということになります。
さすがにそこまでは難しいので、必ず1日のどこかで歯を磨くという習慣をつけましょう。
病院の歯のクリーニング
動物病院では大抵の病院で1年に1~2回の歯のクリーニングをおすすめされます。
もちろんそれが犬の歯にとっては絶大な効果を発揮します。
うちの犬も受けたことがありますが、それはもう真っ白な歯になってぴかぴかになって帰ってきました。
しかし、やはり全身麻酔が必要になるとのことで、少しためらってしまうのが親心です。
犬の話ではありませんが、知り合いの猫は虫歯の治療のため全身麻酔をかけたら天国に召された・・・ということがありました。
現代の医療技術では多い話ではありませんが、やはりできることなら全身麻酔はしたくないというのがわたしのモットーです。
治療中もとっても大人しくしている犬の場合なら、麻酔をしないクリーニングの方法もありますが、これはこれでもし犬が動いたら危険です。
そのためわたしが実践していることは、歯を治療、またはクリーニングしたら、その後はきちんと歯磨き習慣をつけるということです。
その前からきちんと犬には歯磨きに慣れさせ、好きになっていてもらうトレーニングをしておかなければなりません。
これでうちの犬は今のところ一度だけクリーニングをしただけで、歯は良好な状態を保っています。
もうやるときめたら毎日やったほうが効果的ですし、人間にしても犬にとっても毎日の習慣化にしたほうが苦になりません。
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